空手
2020年東京オリンピックに空手が新種目として選ばれました。
ボクシングをはじめキックボクシング、総合など格闘技好きとしてはうれしいニュースではありました。
すでに柔道は種目として定着しています。ところで空手が何で選ばれてこなかったのであろうか?
私の周りでは、武道では圧倒的に空手を学ぶ子供が多いです。
ただ、今まで空手が注目されてこなかったのは、空手の団体が多数ありすぎて分散されているというのも原因かもしれません。
2つの空手
空手には、昔ながらの伝統派空手とフルコンタクト空手という大きく分けて二つの流れがあります。そして、それぞれ更に流派が分かれています。
伝統派
公益財団法人日本空手道連盟
伝統派空手では、松涛館(船越義珍ーふなこし・ぎちん先生),剛柔流(宮城長順ーみやぎ・ちょうじゅん先生),糸東流(摩文仁賢和ーまぶに・けんわ先生),和道流(大塚博紀ーおおつか・ひろのり先生)が4大伝統空手があり、流派を超えた団体として活動しています。
フルコンタクト空手
フルコンタクト空手とは、素手素足での直接打撃制の空手です。ルールによっては防具などをつけての直接打撃制を採用しているものもあります。
フルコンタクト空手といえば、極真空手です。極真空手は大山倍達が創始した空手の流派となります。創始者である大山総裁死後は、極真会館が分裂してしまいました。
国際空手道連盟極真会館(館長・松井章圭)
大山総裁の遺言により松井章圭が後を継ぎ館長として現在も運営している。現在極真の最大派閥である。K-1に出場したフランシスコ・フィリオやエヴェルトン・テイシェイラも極真会館所属の選手です。現在、伝統派の公益財団法人日本空手道連盟と友好団体として結成し、両団体共同での記者会見も行われております。
全世界空手道連盟新極真会(代表・緑健児)
新極真会(緑代表)は、2大派閥の一つとして活動している。
その他
極真会館、新極真会とは別に、極真空手を普及する団体があります。
全日本極真連合会(理事長・小井義和)、極真会館 宗家(代表・大山喜久子)、極真館(館長・盧山初雄)、また極真ではないが、フルコン空手では新日本空手道連盟正道会館(宗師・石井和義)が有名です。
組み手の違い
伝統派とフルコンでの組手の大きな違いは、伝統派は寸止め組手、フルコンは手での顔面攻撃はないものの素手素足による直接打撃制を採用している。
強さでは直接打撃制の方が強いように感じるかもしれませんが、ルールの違いがあるのでどちらが強いということは一概には言えないように思えます。
伝統派
伝統派では、寸止め組手ではあるものの武道として確立されているものであり、とにかく技を繰り出すスピードが速いのが特長です。総合格闘技などでは伝統派空手出身の選手が活躍していることからも分かります。
フルコン
直接打撃制は、素手による顔面への攻撃はないものの素手素足による組手は、創始者である大山総裁が目指した強い空手の形といえるでしょう。
フルコン空手(極真空手)は強いのか?
ボクシング、総合格闘技など格闘技はいろいろありますが、フルコン空手は地上最強を求めた武道といえます。しかし、ルール上素手による顔面への攻撃は禁止となっております。その為、組手ではどうしても体を付け合せてお腹を叩き合うイメージがあります。
その為、顔面を殴らないから弱いという意見もあるようです。
極真会館(館長:松井章圭)のルール変更
2016年より、極真会館では一部ルールの改正がされました。従来通り素手による顔面への攻撃はないものの、上段蹴りのクリーンヒットから残心(一本突きを出しながら決める空手独特のポーズ)を決めると技ありとなります。
また、足掛けから転ばせて残心(一本突きを出しながら決める空手独特のポーズ)を決めると技ありとなります。
また、片手での押し、両拳での押しもルール上認められました。その反面、くっついての攻撃や掴んでの攻撃などの反則を厳しくするようになりました。
ルール改正は2016年の全日本ウエイト制より採用されました。
その結果、今までのような判定による勝敗ではなく、技ありによる優勢など勝敗がはっきりしたところからもフルコンの発展に寄与するルール改正だと思われます。
このルール改正でフルコン空手の技術が更に向上し、観戦も盛り上がり勝敗もはっきりと分かりやすくなったと思います。
まとめ
伝統派もフルコンも空手道ということでは同じなので、日本発祥の武道がより広まっていくことは楽しみです。個人的には、型競技は伝統派のレベルが高く、緊張感があり楽しいです。
組手競技では、伝統派の寸止めの技の攻防はスピードが速く素人ではなかなか判断できないほどの技術であり、玄人受けする競技かもしれません。
フルコン空手の組手競技は、直接打撃制ということもありかなり迫力があります。生身の体への突きや蹴りによる打撃音はすごいものです。
今年から極真会館で行われた新ルールを直接見ることが出来ましたが、従来のストリートファイトではありえない身体を付け合っての攻撃のという感じではなく、非常に見ごたえのある試合を見ることが出来ました。個人的には新ルールは見ていて面白かったです。